放送衛星
放送衛星とは放送専用に使う人工衛星のことで、衛星自体に増幅機能があり、一般の人たちは直接受信ができます。静止衛星がもっとも都合が良いのですが、その他の衛星でも一定時間なら使えます。国際間の中継放送のほか、国内の難視区域向けに好適です。アメリカは、1958年12月にスコア衛星で、アイゼンハワー大統領のメッセージの録音を放送することに成功し、62年7月には、通信衛星テルスター1号によってアメリカと欧州の間のテレビ宇宙中継に成功しました。その後もひき続いで、1962年12月リレー1号、63年5月2号、63年7月シンコム2号などを打上げ、63年11月23日には、太平洋横断の日本向け宇宙中継に成功しました。その他、63年1月、東京オリンピックが、シンコム3号によってアメリカや欧州に中継されました。また65年4月には、アーリーバードが打上げられ、アメリカと欧州で、電信、電話用に利用されています。
日本での開発は、郵政省、電波研究所、NHK、電電公社がそれぞれ独自の衛星を打上げるための基礎研究を行い、国際電電がインテルサットに加盟していました。なお、66年10月、郵政省、電電公社、国際電電、NHKの4者で、通信放送衛星研究開発連絡協議会が結成されました。同協議会は、放送衛星の効用として、国内の難視地域の解決、東南アジア各国への教育テレピ中継、をあげていました。

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